欧州建築行脚22 スイス バレンベルク野外博物館

7月5日火曜日。

今日は4時間半かけてスイスの中央あたりのバレンベルク野外博物館に向かう。

バレンベルク野外博物館

スイス中の民家が地区ごとに移築された、明治村のような場所。

いろんな民家があるけど、装飾が凝ってるものが多かった。日本の民家だとあまり外観とか、ドアの部分に装飾は見られない。装飾って本当なんなんだろう?考えれば考えるほどわからなくなる。けれど装飾があることで、裕福に見えるのは確か。装飾の模様に関して、もっといろんな地域を知りたい。模様に宿る意味なんかも知ってみたい、

この博物館で1番好きになれたのが、大屋根。ヨーロッパではテラスなど外部空間がいろんなところに作られているけど、スイスの民家に見られる大屋根はいろんな工夫が封じ込められていると思った。

まず外廊下が2階部分に付けられていて、これが2階テラスだったり、洗濯物を干せる場所だったりになっている。この外廊下の1階部分では食事のためのテーブルや、外キッチンが作られていて、気軽に外で食事を楽しむことができる。さらに地下にはひんやりとした冷蔵庫なる相互が作られていたりして、外からアクセス可能。そしてこれら全部を覆いつくすのが大屋根。外廊下だけでは物足りない屋根も、この大屋根が大きな庇空間を作り出して、気持ちのいい場所が出来上がっている。

しかもこの大屋根、屋根は屋根として半分独立したように浮いて取り付けられている。日本のように居住部分の柱梁に面として結合されていない。だから風が通り抜けるし、通常どうしてもずっしり見えてしまう屋根が、軽く見える。

屋根裏を使って洗濯物を干している民家もあった。かまどが一階にあることが多いから、温かい空気は上へ上へ上がっていく。全てが合理的。生活の知恵。

馬屋も多かった。馬用のスケールと人間のスケールが混在すると、2階分の高さが現れる。住宅のスケールを超えたスケールが入り込むと、空間がダイナミックになる。

一方で、構造は日本の蔵と似た作りも多かった。木造の柱梁。それに塗装を施すと、ヨーロッパの西洋チックな雰囲気になる。スイスに限らず西洋は塗装の文化が深い。

白の漆喰塗装は中でも多い。日本の漆喰より凸凹してる。白は反射によって何色にも染まれる。部屋の中の物や、外の木々の色をスクリーンのように映し出す。

光について、今回も考えた。石の壁はなんで魅力的なのか。石に光が当たると凸凹動きの出る映り方をする。水面と同じで動きのあるものを見ると心が躍るのかも。ここに素材の面白さがきっとある。

いろいろ実りの多かった民家博物館。やはり民家の作りは合理的でかつ地域の色が濃くでている。掘れば掘るほどいろんなことが見えてくる面白い対象。また来れることならもう一回来たい。全然回りきれなかった。

湖のほとりでBBQ

とある車窓の風景(BBQ場所ではない)

今日はスイスの先輩、本宿さんの家に泊めさせてもらう。留学生の先輩3人と湖のほとりでBBQ。スイスは自然が本当に豊か。こんなロケーションに住んでいる学生みんなが羨ましい。

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