欧州建築行脚18 ドイツ ポルシェミュージアム/シュトゥットガルトの住宅/シュトゥットガルト市立図書感
7月1日金曜日。
ドイツといえばビール!なんだけど今回ビールを味わう時間はなく、代わりにドイツ車を味わうことに。シュトゥットガルトにはポルシェの本社・美術館とベンツの美術館がある。今回は美しいフォルムをしたポルシェの歴史に迫ることにした。
シュトゥットガルトのホテル
昨晩はホテルで自炊。ペンネと塩は持ち歩き、生クリームとバターを買って、ペンネカルボナーラの完成。フランスパンを添えて。残りは昼ごはん用にペンネサンドにする。
朝はたまたまビュッフェのご飯がついていた。なかなか快適な宿だった。
ポルシェミュージアム
初代流線型ポルシェがカッコ良すぎた。ポルシェの創業者フェルナンド・ポルシェははじめ電気自動車やハイブリッドカーなどを開発していた。はじめが電気自動車なのも驚いたけど、一気にスピード・軽さを重視したデザインに変わる。そこから356、スピードスター、カレラへと発展を遂げていく。フォルックスワーゲンのデザイン系譜を踏んでいるのも驚き。メルセデスベンツの車両を設計していたこともあるという。フェルナンドは塗装の細部にまで徹底的にこだわったらしい。無駄のない美しいフォルムだと思った。たまにバイトで乗せていただくポクスターの系譜もなんとなく知れてよかった。
ジードルンク
本当にわからない。水平連続窓からの景色の良さ、屋上庭園の気持ちよさ、近代建築5原則の適応はわかるんだけれど、出来上がった空間の良さがやっぱりわからない。無機質な空間に見えるからか。ル・コルビュジエは物事、物体を抽象化した先にあるシンプルな立体や直角が美しいという。それに基づいて造形が形作られていることはわかるけど、コルビュジエのシンプルでなめらかな素材感が、自分の中で美しさに結びつかない。ただ無機質な空間が好みじゃないだけなのか。でも、外部空間の作り方はやっぱり好きだ。
スタッフのおばちゃんと仲良くなった。コルビュジエの建築や南仏の最新建築を教えてくれた。たった1日だけの感覚だけど、ドイツ人は結構おしゃべり好きかもしれない。英語はフランス人ほど流暢には見えなかったが、完璧じゃなくてもやる〜く話してくれる。お互い英語下手同士でちょうどいい。
外ではどこかの建築学生が集まってスケッチしていた。彼らに混じってスケッチする。ヨーロッパの建築教育では結構スケッチは主流みたい。この旅で多くスケッチするようになったけど、たしかにその大切さは痛感する。もっと早くから取り組んでおくべきだった。というか、もっと学校教育でも取り入れたらいいのに。
シュトゥットガルト市立図書館
人は何もない所に飛び出ると、浮いたような感覚になる。開放感の先にある浮遊感を覚えることができる。階段はその機能の一つなんだろう。この浮遊感を味わいながら本を読めるっていい。ル・コルビュジエのラ・ロッシュ邸のロビーの感覚によく似ていた。規模さえ違うけど階段は浮遊感を生み出す装置だ。
超短期間だけど、これでドイツは終了。シュトゥットガルトの旧市街をさらっと散策してから夕方から夜にかけてスイスのチューリッヒへ向かう。岩見家で知り合って、一緒にアールトの住宅など見に行った、スイス留学中の白鳥さん宅へ向かう。
旅のプランニング
旅の予定は大事。行きたいところに確実に行くには下調べが本当にものを言う。行きたいところが空いてなかったり、予約が埋まっていたり。結構ダメダメな感じになってしまった。全然予定立てが追いつかなくて猛反省。スイスは白鳥さんにいっぱい情報を聞いてなんとか予定を立て直し。続く南仏も早く予定を立てなければ非常にヤバい。旅は優柔不断が時に楽しかったりするけど、予定がなければもったいない結果になることの方が多い。自分は結構優柔不断すぎてフラフラしてる。旅に限らず気を引き締めないといけない。1人で全てこなせないと一生計画力ない人間だ。