欧州建築行脚17 ストラスブール
6月30日日曜日。
今日は偶然不思議なことに、ホステルで知り合ったポーランド人のJacobと行動を共にすることになる。
彼は19歳でこれから薬科大学に6年通うらしい。優しくて、穏やかな高身長バスケット少年。英語がなかなか出てこないけど、楽しく旅できた。
朝ご飯
ホテルのビュッフェスタイル。なかなかいけてた。
Église protestante Saint-Pierre-le-vieux
たまたま入った教会。ドイツの木造の文化が入り込んでいて。とてもあたたかい雰囲気の教会。ステンドグラスから差し込んだ光が石造の柱に反射して、カラフルな水面のように映り込んでいる。木があたたかい雰囲気を醸し出すのはなんでだろう。そしてこの教会も昨日のように、石が独特の茶色に塗られていて面白い。でも地域によって少しずつ違う。
ノートルダム大聖堂
線がめちゃくちゃ多くて圧倒されるデザイン。というより、一つ一つの線が長いのかな。初見でかなり圧倒された。濃い茶色一色に包まれたディテールの塊。
ステンドグラスも今まで見てきた中で1番細かいかもしれない。この教会は黄色い光で満ちている。太陽の黄色に近いかもしれない。太陽の光の中にいろんな神様が描かれているようなステンドグラスの構成。この光の余白でステンドグラスの絵画部分を浮かび上がらせている。
シャルトルのノートルダムはリブが生命の極地のように見えていたけど、ストラスブールはリブが全て暗い石でできているから、気持ち悪さみたいなものはなく、ステンドグラスに集中できた。建物の黒と、ステンドグラスの黄色・カラフルな絵画のコントラストがいい。
尖塔に登る。なかなかハードだったけど、ストラスブールの古風な街が見渡せた。屋根だけじゃなく、壁も色もいろんなものが揃っていていい。街の中にはいくつも教会があって、決して一つの教会で成り立っているわけではない。日本だと、神社は村にひとつだし、寺も地方に行くと村単位であるけど、こっちはどういう成り立ちなんだろう。
昼ご飯
メニューは相変わらず読めないけど、1番リーズナブルなクラシックっていうのを選ぶ。出てきたのはピザみたいなやつ。美味かった。
アルザス博物館
伝統的な世界、住まいなど色々展示している。伝統的な住まいってのはなんでこんなに惹かれるんだろう。古びない良さがある。手作り感が残る住宅はやっぱりあたたかい。けれど日本の民家がもつ力強さとは少し違う。全面に木が使われていたり、塗装がほどこされていたり。それで温かみがある。木の質感も日本とは違ってツルツルとワックスがかかったような感じ。木とランプが作る雰囲気がいい。
住宅の間取りは全然違うけど、作り方は日本の伝統工法に似てると思った。木で骨格を作ってそこに壁がはまっていく。筋交の代わりに斜めにそのまま柱が立っているように見えた。
プティット・フランス
当時ストラスブールは交通の要所として栄えていた。運河沿いにドイツ風の木造家屋が並ぶ。どこの都市を見ても、運河沿いの風景は美しい。運河沿いにパラソルを並べて、食事をとる風景はやはり良き。
ヒッチハイカーJacob
午後16時。Jacobはこれからヒッチハイクして車で2時間ほどの街へ向かうらしい。Hitchwiki というヒッチハイクのハウツーサイトがあるらしく教えてもらった。どこでヒッチハイクすると捕まりやすいかが書いている。ヒッチハイクの方法は日本と同じらしい。てっきり👍のサインだけで行けるのかと思ってたけど、行き先をちゃんと掲げるらしい。穏やかに見えて実はアグレッシブな彼の旅もいいものになればいいなあ。
シュトゥットガルトへ
買い出しを先に終えてから、ドイツのシュトゥットガルトへ向かう。明日、ル・コルビュジェの住宅を見る。
乗り換えが2回もある電車。1回目の乗り換えで出発時間残り2分になっても乗り場が分からず、ドイツ人に聞いて教えてもらってダッシュしてなんとか危機を乗り越えた。あと何分?って聞かれて2分!って答えた時のおばちゃんの顔は今も忘れない。
電車が遅れたので次の電車に乗れるかが怪しい。3分で乗り換えなきゃいけないというピンチ。先ほどの教訓を踏まえ、周りの人に何番乗り場に行けばいいのか予習していく。けど残り3分だから次の電車に乗った方がいいだの試したみろだの、いろんな人にいろいろ言われて、混乱しつつもダッシュで滑り込んだ。
1日で1番集中した時間だった。ダッシュできるくらいの少ない荷物で旅していてよかった。
ドイツ シュトゥットガルト
初のドイツ入り。フランスの街に2週間以上慣れると、ドイツはすごく綺麗な街という感じがする。日本に近いかもしれない。さすが電車も日本と同じように発展してる。清潔感がある。