欧州建築行脚14 フォントネー修道院

6月27日月曜日。

今日の行き先は遠い。ロマネスク教会の傑作、フォントネー修道院。フランスのど真ん中と言っても過言ではない。パリから弾丸で向かう。

朝7時に電車に乗って3時間電車に揺られる。Montbalという駅について、そこからはバスがなく、片道15€のタクシーを呼ぶか、歩くかの2択を迫られる。往復30€は痛いので時間もあるし片道1時間半徒歩に決定。フランスパンをかじりながら、King Gnuを爆音で鳴らして歩く。

歩くといろんなものが目に入る。田舎暮らしの様子が垣間見えたのはよかった。

フォントネー修道院

附属教会堂


入った瞬間、やさしい音楽でつつまれた。装飾が何もない教会。少し黄色がかった石積みや、壁と形と表面が整えられた石のアーチがそっと出迎えてくれる。地面のランプによって照らされた壁が、長い歴史を物語っている気がする。

装飾は何もない。大きな建物にもかかわらず、自然の中にいるような感覚。土と壁、天井は違った表情を見せながら、同じ色をしている。

都市の喧騒とは真逆の世界だと思う。山の中で、限られた人たちと生活し、自分の内面を見つめる、そんな時間を過ごしているのだろう。

他人と比較することで自分を評価する、してしまう世の中。だけど、ここでは自分らしく生きることを、自分と対話しながら考えられる気がする。

窓からの光がやさしい。うすいグリーンのステンドグラスで、やわらかく祭壇を照らす。

かすかな風が流れている。落ち着いたすこし冷たい風。心の底からrelax and cill 。

寝室

土と石で固められた壁に木造のアーチの骨組み。質素さの中にも美しさがある、そんな言葉がふさわしいか。何層にも連なるアーチは、無駄がなく
立派。木を連ねることで空間の隙間ができるから、軽やかにも見える。石・土と木のアンサンブル。

回廊


外と中が混じり合っている空間。回廊に腰掛けてみる。ひんやりと気持ちいい。晴れの日はポカポカあったかいんだろうな。昔は生活の中心で、読書などによく使われていた。空、向かい側の建物、庭、そして一緒に住む人たちの生活。これが全部腰掛けながら眺められる場所。風も太陽も緑も鳥の声も味わえる。

今はいろんなものが風化してそれがまた良い。屋根なんか草が生えている。

アメリカ人
スケッチしてたらアメリカ人に”There is a chewing gum on that stairs. Is it from you?”って聞かれたから見に行ったら自分の消しゴムやった。
バカ真面目に”I didn’t eat chewing gum!”って答えた自分恥ずかしすぎる。

歩いた!

帰り道、流石に往復3時間はきつく足が痛くなってくる。ようやくパリまで帰って、さぁバスに乗ろうと思ったら10分おきくらいに出てるはずのバスが38minと表示されている。ふざけんなとおもって結局家まで1時間くらい歩いた。この日の総歩行距離は23.6k m。なかなか頑張ったんじゃないか?

きょうはパリlast day。キッシュがどうしても食べたかったので、パン屋で買って帰った。

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