欧州建築行脚⑨ ルーヴル美術館⑴
6月22日水曜日。
朝一、カタコンブに行く。現地でチケットをまとめようと思っていた。ところが!オンラインチケット限定らしく、さらに1週間埋まっているという!!仕方なく今回の旅行では断念。せっかく現地までバス乗って行ったのに。
12時半予約のルーヴルへ足を運ぶ。
ルーブル美術館
イオ・ミン・ペイによるガラスのピラミッド。
やはりパリは歴史と現代の対比が面白い。パリの街、宮殿、その他建築物の色彩が統一されているから、新しい建築物がうまく対比しやすいのか。ただ、なぜピラミッドなんだろう。エジプトのピラミッドのオマージュか。
内観は滋賀のMIHOミュージアムと非常に空間の質が似ていた。やはりイオ・ミン・ペイの建築。大理石の扱いに手慣れている気がする。
ところで、これからの美術館のあり方はどう変わるんだろう。個人的にはなんでもかんでも収蔵している美術館というのは、コレクションとしては素晴らしいけど、作品としては嬉しくないように思う。それぞれの作品にとってふさわしい空間というのがあるような気がして、どんなコンテクストをもつ美術品も等価に収蔵、展示してしまうのはどうだろうかと思う。
とはいえ、このコレクションがあるからこそ、さまざまな学びがあるのも事実。じっくり2日間かけて見ていく。
ルーヴルの歴史
要塞から宮殿、宮殿から美術館へ。歴史の中で建物はさまざまな用途で使われ続け、少しずつ形も変化する。
古代ギリシャ
彫刻による肉体美がよかった。完成された肉体。ミロのヴィーナスも見る。腕がない方が美しいというのは本当か?
この世で不変な美しさというのは人間の肉体美だと再認識。古代ギリシャからこのような彫刻が残っているというのは面白い。ヌードデッサンするのと同じ感覚なんだろうか。
ライオンの彫刻もかっこいい。人間に限らず、動物も完成された形をしていると思う。建築トレースするより、動物トレースする方が学び多いんじゃないか?
ただ、埴輪のようなオブジェにも目を引かれる。モアイのような人形。形が謎なんだけどなんか惹かれる。表情のない顔って、身体で何かを伝えようとしているような気がしてきて、面白い。
壺にも惹かれた。とても大きな壺。高さ1200。ギリシャでは食糧、液体は壺で貯蔵しなくちゃいけなかった。それに彫刻がされている。紐で縛ったわけじゃないのに紐の痕跡。紐にはなんか宿ってるのかな。そう思わせてくれるし、実際「魔力」みたいなものを当時の人たちは信じていたんだろう。
イスラム美術
模様が本当に多様。規則正しいパターンの中に植物が入っていたりする。模様とタイル素材と凸凹と光沢で魅力的な質感が表れている。全て手作りであろうこの不均質な感じが好き。
刀の形も日本とは違ってカーブが変質のように見えた。力学で説明出来なさそう。けど惹かれる。
エジプト美術
ミイラと墓。古代芸術のなかでエジプトだけ異常に死に対する感覚が鋭い。展示物のほとんどがミイラと墓で、死者に対する装飾の緻密さと、マスクの存在が、人間の永続性を強く信じて求めているように見えた。