欧州建築行脚63 ギリシャ メテオラ②修道院巡り
8月14日日曜日
sunriseをみるため、5時半起床。肌寒い中、自転車を走らせ山を登っていく。寝坊したせいで日の出の時間に間に合わなかったが、日の出が見れるスポットも見つからなかった。ただただ美しい景色に出会う。
アギア・ドリアダ修道院
朝食をとり、再び登山。まずは広大な谷のなかにそびえ立つ1つ目の修道院へ。本当に崖の上に建っている。ラピュタの世界。
崖にくり抜かれた人が通る道を見ると、人類って計り知れないなって思う。こんなところに道つくろうとか思ってもふつうやらへんやろ。
複雑に入り組んだ動線はこの不整形な敷地ならではの計画なんだろうか。まったく読めないプランニング。階段と廊下に惚れた。光と影、奥行きが何とも言えない魅力的な空間を作っている。
壮大な大地の造形に挟まれた街並みも美しい。メテオラ、すごいな。
内部礼拝空間もこってりしている。ビザンチンの煌びやかな寺院。深みのある色彩と装飾。アテネの寺院ほど強烈なものは感じなかったけど、やはり強い。
アギオス・ステファノス修道院
要塞のような修道院。要塞のような壁を抜けると、明るく多様な外部空間が広がっている。修道院としてはあまり印象に残ってないけど、変なスケールの壁、超薄い石造りのベンチなど面白いエレメントが転がっていた。
メガロ・メテオロン修道院
地形に合わせているのか、複雑な構成。集合住宅にこんな多様な階段、路地が張り巡らされたら面白いだろうな。頑張って設計しようとしていた共有外部空間がここにあったという感じ。水があり、ベンチがあり、景色があり、日向と日陰が入り組んでいる。階段が共有廊下になって、いろんな視線が交錯する。
内部のアーチ吹き抜けも興味深い。ただの吹き抜けではなくて、クーポラの下、そして2階部分までが円形に抜かれている。構造と一体になった形。吹き抜けにも作り方がいろいろあると学ぶ。
ヴァルラーム修道院
入口に巨岩。まるで大地が盛り上がってできたんじゃなくて、降ってきたかのような建ち方をしている。これだけでも信仰が成り立ちそうな迫力。
景色も当然素晴らしい。凄まじい崖で囲まれた雄大なヴォイドの中にルサヌ修道院が浮遊しているかのように建つ。
昔のキッチン。煤で黒くなった地面と天井。無造作に並べられた食器達が異様な光を放ち、存在感を露わにしていた。
アギオス・ニコラオス修道院
小さな修道院。建築と大地の境界がぐちゃぐちゃになっていて空間構成がまたまた読めない修道院。スケールも小さくて狭い階段、低い天井、岩を縫うように付けられた道。小さく凝縮された空間は訳が分からなくて面白い。
アテネへ
電車でアテネへ戻る。見てきたものが凄すぎて、眠たいはずなのに目が冴えていた。いろいろ耽っているうちにアテネは到着。軽食後、ベッドイン。