欧州建築行脚40 ボローニャ レスプリ・ヌーボー館 / フィレンツェ ドゥオーモ
7月21日金曜日。
今日はボローニャのル・コルビュジエ建築。若干の研究に絡んだ作品でもある。そこからフィレンツェへ足を伸ばした。
レスプリ・ヌーボー館
300万人のための都市計画の中の、集合住宅の一住戸のプロトタイプモデルハウス。結構立派な住宅。中は入れなかったが、建物のうち平面的にも、立面的にもやはり庭の占める割合が大きい。庭の中の大きな木(樹種は不明)の木漏れ日が庭の中に注ぎ込む。中からの景色は想像でしかないが、気持ちのいい日陰からフレーミングされた周りの風景を楽しむことができる。これが高層階を想定されていると考えると、心が躍る。ユニテとはまた違った、よりオープンなな景色が広がっているだろう。
ボローニャの斜塔
建物が無造作に立ち並ぶ中に2つの斜塔。造形の暴力を感じた。ただ造形が立ち並んでいるのではない。荒々しいレンガ造と茶色い色彩が入り混じり、この街の治安の悪さに染まった汚い壁や屋根がおどろおどろしく交錯している。今まで訪れた街では感じられなかった、重たい空気感。観光客もいるんだけど、穏やかではなさそう。
マッジョーレ広場
灼熱のボローニャ。赤いレンガ、それも長い間日差しを浴び続けてきたかのようなくすんだ赤色をしたレンガのアーチ壁が広場を囲む。サン・ペトロニオ聖堂は、ゴシックなんだけど、光というよりむしろブラウンのリブが落ち着いた空間を作っている。
フィレンツェ ドゥオーモ
ものすごいディテールの圧倒。特に緑と赤のタイルが、白の壁にラインのように入っているのが印象的。またひとつ違う教会の形を見た。荘厳なんだけど、キンキラキンと光っているわけではなく、上品な佇まいをみせている。
ファサードは壁画っぽく見えるようで、壁画ではない。彫刻に見えなくもないけど、やっぱり彫刻でもない。建築はやっぱり総合芸術だと思う。
ドームの連続する景色はは本当に圧巻。人々はみな上を見上げている。
ヨーロッパに来て、教会なんて結構似たようなもんばっかだろ。とか思ってたけどやっぱいろんな形がある。ビザンチン、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロックと当然形式は全部違うし、この旅でその中の一つ一つが違うとやっぱり思った。形式は同じでもテクスチャや光の捉え方、模様、ステンドグラス、、。本当にキリがない。同じビルディングタイプでも深めればどれだけでも深められる。少し見方の幅が広がった気がして、後半の旅もさらに楽しみになってきた。