山陰・九州建築② 磯崎新建築
11/22(火)
北九州の磯崎建築を巡る。
北九州国際会議場
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ホールの波打った屋根の迫力。外観から推測すると難解だったけど、この力強さはすごい。柱の太さも異常で、やはりヒューマンなスケールを逸脱している。
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造形、色彩、わからないことだらけ。ただ、ダイナミックで迫力があることは間違いない。そして決してチープな感じはなく、空間には密度がある。
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北九州市立美術館
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かなり強い形態。都市に向かって伸びた梁としての空間。良いか悪いかでいうとよくわからないが、地形への応答として面白いと思う。
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この強い形態はエントランスに入っても感じることができる。知らずとも都市への軸線を意識することになる。これが現象というやつか。
天井の素材に漆喰。冷たいんだけど柔らかい光が差し込む。色彩としてもやはり軸を意識させる、壁面にのみグレーのパネル。
現代美術
現代美術の評価基準。「どういった枠組みで考えるのか」をまず考えなければならない。そもそも枠組みなんてないのかもしれない。枠組みを作ること自体、枠組みである。
とても勝手で暴論だけど、建築には枠組みが存在する。アートには枠組みは存在しない。けれど、アートとしての目標と建築としての目標は同じような気もする。目標は同じでも役割は違う。建築にしか実現できないこと、アートにしか実現できないこと、あるのかもしれない。
形態
形態のもつ力強さ、シャープさ、緩さ。見え方。形が人の体と関係を持つと、必ずメッセージが付加される。色彩が伴えば激しさが現れる。
和室
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展示が3次元化すると、途端に広がりが現れ、作品に没入する感覚になる。日本の書院造りの空間でインスタレーションすると面白い??骨格はそのままに、規格化された空間に襖や障子を用いた空間操作を加える。システムを利用した展開方法。
北九州市立中央図書館
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北九州文芸館
ヴォールト天井がとてもスッキリした空間を作っている。外観から想像もできない空間。文芸の中の図を解釈して作ったというステンドグラスも面白い。
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リリーフランキーが小倉出身であることを知る。小説、読んでみようかな。
子ども図書館
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コンクリートによるヴォールト屋根で全体が柔らかく統一される。その下部に本が明るく整然と並んでいるのは非常に心地がいい。吹き抜け横の学習机では高校生が勉強。いい図書館の形ではないだろうか。
中央図書館
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長いヴォールト屋根の中、段々上に本棚を配置。古びた感覚を覚えるが、それはおそらく蛍光灯がむき出しで配置され、本棚の間接照明やサイン、床が当時のままであるから。骨格は全く古びていない。
骨格であるヴォールト屋根はヒューマンなスケールをすこし超えている気がする。そのため一つ吹き抜けを設けるだけで空間がずいぶんと伸びやかになる。学習スペースも閉じこもった場所でなく、間伸びしていないけれどとても広い空間として生きている。
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人間、動きは制限して、目線は解放するとちょうどいいのかもしれない。不安定さを欲しがっているかも。