欧州建築行脚55 ポンペイ遺跡

8月6日土曜日

今日はナポリから1時間足を伸ばしてナポリへ。
昨日事前にガイドブックを購入して予習したので、それに沿って見て回る。

ポンペイ遺跡

非常に広大な敷地。まさに街ごと残っている。火山の噴火によって街自体が一瞬にして死んでしまったらしいが、そのおかげで街がこれほどまでに保存されているらしい。2000年前にタイムスリップ。

とにかく広すぎてしかも道は悪いし、途中歩くのをやめたくなるレベルだったけど、なんとか歩き切った。

ちなみにポンペイには下水設備が整備されたなかったので、水から離れるために大きな石を置くことで歩道が整備されている。

フォロ

フォロと呼ばれる列柱で四角に囲まれた広場のような空間が印象に残る。市民の生活の中心だった場所。ローマの街はこのような中庭を囲む空間構成がほとんど。このフォロからいろんな部屋にアクセスでき、フォロは全ての中心として位置している。

フォロに繋がるバシリカ

ここからポンペイの人たちがいかに社交好きだったかというのが想像できる。ローマ時代からこのイタリアでは社交場を求め続け、それは今も変わらないんだなぁって感じる。

都市空間

ポンペイの街は碁盤の目に区切られていて、この頃から都市計画的な視点が見られる。道路にはパン屋、洗濯屋、居酒屋など店が並び、その様子は今の都市のビル下の店舗と同じ平面構造のよう。2000年前から全く現代でも違和感のない街。

民家

民家が面白かった。だいたいの民家にはアトリウムが中心にある。屋根があるけど、中心だけパンテオンのように(四角やけど)空いていて、光と風が吹き抜ける。雨の日はそこから雨が落ちてくるようになっていて、地面には雨水を貯めるプールが備えられている。光と水盤で家の中でほっと落ち着けるような空間になっている気がした。

フレスコ画もすごい。家の中の至る所に絵が貼られている。絵がこんなに日常生活と密着しているのも、現代人とローマ人の違いなんだろう。宗教心がやはり強かったんだろうか。

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