欧州建築行脚52 ローマ カラカラ浴場 / サンタンジェロ城

8月3日水曜日。

カラカラ浴場

壮大な規模の浴場。カラカラ帝は市民の憩いの場として浴場を作った。浴場といっても、中身は浴場にサウナ、運動ジム、図書館など今でも十分楽しめそうな機能が満載。

1番はやっぱりその規模、スケール感に圧倒される。ヒューマンなスケールを踏み外した、教会に近いような建築。ローマでいろんな遺跡を見てから、スケールというものが面白く思えてきた。日本で生活していると、決まりきったスケールの中で行動することが多い。けれど、計り知れないスケールを持った、人の感覚を狂わせるようなスケールを挟み込むことで、空間はよりダイナミックに、そして動的になるんじゃないか。

昨日見て歩いたバロック建築も、ある種既存のスケール感覚を狂わせる装置。スケールを横断することでこれまで感じなかった、空間のゆとり、余白を与えられるような気がする。

カラカラ浴場はある意味、狭い日常から抜け出した都市空間。スケールと人の感情はかなり結びつきやすいという当たり前のような発見。

サンタ・マリア・イン・コスメディン教会 Santa Maria in Cosmedin

真実の口で有名な教会。初期キリスト教のバシリカ。非常に優しい光。サン・ロレンツォ・ファーリ・レ・ムーラと同じ感覚を味わった。このような落ち着いた光は日本の民家にも似ている気がする。なんでかわからない。壁が塗りだからだろうか。風化具合からだろうか。それとも木造の屋根がそう感じさせているのかも。わからないけど優しい強さを感じる。

サンタ・サヴィーナ聖堂

こちらも初期キリスト教教会。これでいくつ回っただろう。静かで厳粛な空気が漂う。日の光だけで照らされた教会はすごく好み。本当にこのかすれがかったフレスコ画と壁面の迫力はなんだろう。そこにコリント式の列柱が軽々しくしかし厳粛に建ち連なる。

サンタンジェロ城

四角形の城壁の中に円形の城が立つ。さらに円形の建物の最上階には宮殿が立つ。簡単な街のような空間構成になっている。とんでもないカラクリの城。

内部の空間もかなり面白かった。洞窟のような斜路、渡り廊下のような内部アーケード空間。日本も西洋も城には防御的な機能から、いろんな空間を持っている。

そしてこの城、長い歴史の中で何回もフォルムが変わっているのも面白かった。

パンテオン、カンピドーリョ広場

帰りにローマのお気に入りをおさらい。見納め。

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