欧州建築行脚41 フィレンツェ ブルネッレスキ建築/ミケランジェロ巡り
7月23日土曜日。
フィレンツェはルネサンス作品の集積地で、フィリッポ・ブルネッレスキの街、そしてミケランジェロも多く作品を残している。今日はブルネッレスキとミケランジェロに的を絞って歩き回る。
サン・ロレンツォ聖堂
ルネサンスの教会。ファサードはミケランジェロによって製作される予定が、未完のまま。内部は身廊の格子天井に金細工が施されていて、ルネサンス建築だけど、素っ気なさすぎずいいバランスをとっているように見えた。バシリカの中央のドームの壁画もいい。
メディチ家礼拝堂
えげつない量の石のテクスチャが降り注ぐ空間。口をあんぐり開けてしまうほどすごいって聞いていたけど、ほんまにあんぐりなってしまった。極彩色?のこの色の組み合わせは東方の色彩と似ているような気もするし、けどこっちの方が光の操作というより、石のカラーリングによる迫力というような気がする。
新聖具室
ミケランジェロによる建築作品。ドームの遠近感が狂わさせるような感覚に陥った。光によってダイナミックさを作っているような気がする。どこか彫刻と絡み合うところがありそう。
建築よりも彫刻に目がいく。超リアルな肉体。光沢がよりリアルな動きを演出している。
旧聖具室
ブルネッレスキによる設計。フレスコ画のような絵画的な質感。もちろん光も扱うが、ミケランジェロとは違い、のっぺりした印象を持つ。光が彫刻的に反射し映り込むことはなく、絵のような壁に吸収されているような感じがする。あたたかいけど、すこしあつくるしい気もする。けれどミケランジェロよりも淡白な感じがしない分、面白さがあった。
サンティッシマ・アンヌンツィアータ広場 Piazza della Santissima Annunziata
ブルネッレスキ設計の広場。ブルネッレスキの捨て子養育院とアルベルティ設計の教会が広場を囲んでいる。列柱によって半屋外空間が作られていて、連なるアーチの中に天井画も描かれている。まるで修道院の回廊をさらに拡張したかのような空間。空間構成は似ているけど、都市というパブリックなエレメントが入り込んで劇場性(まさにコンサート会場が用意されていた)が生まれている。
古典の参照ももちろん行われている。コリント式の柱頭やペディメントが随所に見られる。古典の美学自体を自分があまり理解できてないから、良いか悪いかよくわからないけど、、。
捨て子養育院
スッキリした回廊。アーチのボリュームがツルッとキレイで、日の光をストンと地面に落としているような感覚。
サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会
バロック様式の教会。改修にアルベルティが関わっている。ヴェルサイユ宮殿を見た時も思ったけど、バロック様式ってとにかく惜しみなく、金の装飾と絵画で埋めつくように作られている。
ふと思ったけど、日光東照宮の荘厳さに近い気がする。
サン・スピリット教会
形式はサン・ロレンツォ教会に類似している。天井の装飾が違うだけで、空間の軽さが違うと感じる。装飾があると、空間に重みが出る気がする。
ミケランジェロ広場
フィレンツェの街を一望。ドゥオーモのクーポラが印象的。この規模感の建物が色合い、ボリュームが統一されていて、本当に圧巻。
パーティー
バスで宿に帰ろうとするも、1時間経っても来ない。たまたま同じ宿の人たち2人と一緒になったから、3人でタクシーを呼んで帰る。今日は宿の夕食会に参加。結構今のホステルはアットホームな感じで、泊まってる人みんな仲がいい。イングランド、アムステルダム、ドイツ、アメリカ、、いろんな人と話した。結構日本の話はウケるみたいで、方言とか、アニメとか、その他かなりディープな話題まで。こんなに盛り上がれるとは。ワインと共に、楽しい夜。