欧州建築行脚38 ヴェネツィア プンタ・デラ・ドガーナ / ヴェネツィア・ビエンナーレ
7月20日水曜日。
ヴェネツィア2日目。今日は日本の誇る安藤忠雄建築と、国際芸術祭ヴェネツィアビエンナーレ(ジャルディーニ会場)を見にいく。
プンタ・デラ・ドガーナ
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安藤忠雄による改修プロジェクト。15世紀に建てられた税関倉庫を現代美術館として改修。
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赤い細かい石積みの壁に、茶色い木の梁が残され、そこに安藤忠雄の打ちっぱなしのコンクリートが入り込む。コンクリートの力は偉大。どんな空間にも馴染むし、他のテクスチャーと混ざり合っていろんなマリアージュが楽しめる。
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窓からの光も特殊。美術館だからだろうが、光量はすこし抑えられている。窓からの景色はフィルムカメラを通したようなエフェクトがかかった絵のように見える。差し込む光は、鉄格子のフレームを通して印象的に床に反射する。
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造形としてはそんなに真新しいものはなかったように思った。やはりヴェネツィアの歴史的街並みに対する改修の制限がきついからだろうか。
展示
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展示はあんまりよくわからなかったけど、身体をいろんな方向からバラしてみたような試みかと思った。人の動きをバラす、ズラす、音だけ抽出する、バラした素材をくっつけたときのミスマッチ。
ヴェネツィア・ビエンナーレ
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人が内部から侵食されていく様子が描かれているように見える。黒、白、黄色、黄緑。人間の弱さと、人間が作り出してきた衣服などの遺物の永遠性みたいなものが対比的に表現されているきがした。建築でも同じかも。中身の人間たちの動きは儚い。人間を超えて生き続ける建築は、未来へとメッセージを残すべきアートであるべき。
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私たちと全く異なる生活文化の中で生きる人たち。彼らにとって何が生きがいだったんだろう。私たちは常に便利なもの、美しいもの、楽しいことを求めて、生きているような気がするけど、彼らにとっての価値観は全く別のものだったはず。そもそも生きがいなんて、その人が背負ってきた過去から芽生える時もあるし、人それぞれ。信仰が生きがいってのもあっただろう。いかに人がいろんな思いを背負って生きているのかっていうのを感じさせられた。
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刺激が強い作品が多く目に止まった。血とか、音とか、光とか、なにか「訴えかける」為に表現されたもの。アートを1日見続けてやっぱりそういうpainfulなものが多く印象に残る。戦争の世の中、そういうのを訴えかけないといけない世の中になったからってのもあるんだろう。あるいは、世界というのを自分がそういう解釈でしか見れなくなってしまってるのかもしれない。でも心を和らげてくれるような作品はあまりなかったように思う。もっと心休まるような、モネの睡蓮のような、あたたかいアート作品に出会いたい。(旅疲れで心がすさんできたか?笑)
服無くなる
宿に戻ってきた。シャワーに入ろうと思ったら干していたはずのユニクロのエアリズムが消えている。ドミトリーの他の人に聞いてもそもそも来た時になかったという。犯人はあの自称アメリカ人おじさんか掃除の人が忘れ物扱いして勝手に処分したかの2択か。超ミニマリスト生活なだけに服一枚もけっこうきつい。
が、さらにミニマムになる挑戦と受け取ってポジティブにいく。これでほぼ服1着生活になった。今まではエアリズム一枚で寝ていたけど、よれてきたTシャツをパジャマ代わりに(自分はパン一で寝るとお腹壊す) 。幸い下着のパンツは2着ある。風呂場で洗濯したやつが朝起きて半乾きでも、次の日は自分が物干しとなる。最近は暑いから1時間もあれば着てれば乾く。このサイクルで行けば、荷物は極限まで少なくいける。