欧州建築行脚33-34 カップ・マルタン 休暇小屋/E-1027

7月15日金曜日、16日土曜日。

15日金曜日は1日メンテナンスデーにした。SIMカードの契約を済ませ、データ難民から脱出。イタリアに入り、ギリシャ、トルコから帰国までの大まかな流れと見るべき建築のプロットを済ませる。カウチサーフィンのオファーに何度かトライするも全然返信がなく、宿代が浮く未来は遠そう。なんとかしなければ。

16日土曜日。今日は1日南仏のカップ・マルタンに向かい珍しく研究。最近カメラのご機嫌が良く、しっかり機能してくれている。

カップ=マルタンの休暇小屋

今回の旅行でのフランスコルビュジエ建築訪問はこれがラスト。研究対象だから少し緊張しながら見て歩く。ガイドツアーオンリーの訪問で、今回のガイドは英語。

モデュロールを元にした小さな小屋。とても小さいのに仕掛けが多様で想像以上に広々と感じた。
特に驚いたのが鏡。窓の外側が鏡になっていて、開けると外の景色が映し出されて内部に外部空間が入り込む。地中海の美しい景色が部屋の中に飛び込んでくる。


天井の高さも空間が均一にならないように変えられていて、収納が設けられている。ちょっとした細かい操作がこんなにも空間を変えるのかと驚きを隠せない。
他にも、やはりコルビュジエは家具(洗面台)を大きな空間から独立させている。それによって空間の広がりを邪魔しないという効果が出ている。
最小限住宅の手本となるカバノン。想像以上のクオリティ。

ユニテ・ド・キャンピング

カバノンの寸法を変更させ、宿泊客用に作った住まい。寸法がさらに小さくなったにもかかわらず、スペースの工夫が随所に見られた。カラーリングと洗面台のスペースによってより広さを認識できて、かつ地中海への眺望は一級品。

E-1027

アイリーン・グレイによる住宅。可動式の家具や建具が多く、かなりメカニカルな印象を受けた。ル・コルビュジエの近代建築の5原則を体現しつつ、可動という新たなボキャブラリー。中にはコルビュジエが勝手に書いたという壁画まで。別に違和感は感じなかったけど、グレイからするとショックだったに違いない。
自分的には稼働する家具って特に収納とかいちいちめんどくさいとか思うけど、使ってみると違うのかな。

神ガイドさん

研究で色々知りたくて、めちゃくちゃガイドさんに話しかけた。ツアーの最後に旅のこととか、コルビュジエのこととか。話していると、英語うまいねって褒められた。もしかしてもしかすると上達してきたのかも。ニヤリ。

ツアーが短時間で研究成果が不十分だったから、コルビュジエが描いたスケッチを見せて、この部分はどこを指してると思う?みたいな質問もしてみる。答えはもらえなかったけど、仲良くなれたおかげで連絡先もらえて、写真送ってくれたら同僚とかにも聞いて力になるよって言ってくれた。神ガイドさん!!

ロックブリュヌ城

どうやってできたんだこの街は??が正直な感想。城は山を登ったその頂きにあり、地中海と山と街を一望できる。景色は圧巻。傾斜地にギチギチに建物が配置されている。この入り組み方は尋常じゃない。規則はまったく見えず、けれどできた空間は多様で面白い。テラスがあちこちにあり、部屋の中へのアプローチも様々。このギチギチの中に教会もあり、しっかりと街として機能している。ただ、歩いている住人は激坂にものすごい苦労していて、生気が抜けてるような人もいた。そりゃあバテるわこんなとこ。バリアフリーとは真逆。バリアフリーが過ぎると逆に健康からかけ離れるというけど、バリアフリー大事だって思った。

コルビュジエはこの村と計画の集合住宅を重ね合わせて考えているというから不思議。スケッチを描いた場所を探すも、難易度高すぎ。ほんと何考えてたんだ大巨匠さんよ!

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