欧州建築行脚26 ベルンの街/ル・コルビュジエ母の家
7月9日土曜日。
今日はベルンの街をサクッと歩いて、ブベイのル・コルビュジェ母の家を見てジュネーブへ移動し、もう一つ集合住宅をみてから、ジュネーブ泊の予定。
ベルンの街
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旧市街が世界遺産に登録。街の建物の一階部分に店舗など入っていて、アーチが斜めがかった意匠をしている。面白かったのは、地下への入り口が各区画に用意されていたこと。ただの倉庫かと思いきやしっかりと地下空間へつながる階段が用意されている。バーなどが作られていて、昼間は閉まっているところが多そうだった。地下は涼しくひんやりしているから、活用しやすい。街ぐるみで地下空間が作られているのは、なにか歴史的要因があったんだろうか。
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屋根が暴れている。屋根の上にまた小屋のような屋根裏部屋的なのがいっぱいのっている。なぜ??面白いけど理由はわからない。
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時計塔。壁画の上に金の針。建築そのものへ彫刻的操作を施すのではない。彫刻とは違って壁画は絵の内容に目がいくような気がする。彫刻にもストーリーは存在するけど、彫刻自体の圧倒的ディテールが強すぎて内容が入ってこない。壁画は彫刻に比べて描いてあるもの自体について考えるし、今回時計は絵にマッチしている。
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素晴らしい景色が広がっていた。美しい街並みに川。そして川に架けられた鉄橋に、赤く彩られた電車が走っている。
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母の家
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景色が最高。景色の切り取り方、これが本当に完璧。水平連続窓でパノラマビューが見られる。椅子に座った時のアングルが、まるで絵に描いたような構図。
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庭に作られたピクチャーウインドウも、レマン湖とその後ろにそびえる山々が完璧なまでに切り取られる。ただの建物に取り付ける窓と違って、閉じた景色を楽しむ外部空間ていうのがいい。風も日光も楽しみながら、部屋にいるかのように景色を望むことができる。
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色彩も面白かった。赤を塗ると、空間に拡がりが出る。青を塗ると、空間が少し締まる。さらにハイサイドライトを入れ込ませ、空間にゆとりを作っている。説明されて初めてわかったが、コルビュジェはあくまでも空間を作るために色彩を多用しているんだろう。
宿のキャンセル
急に予約確定していたはずの宿からメッセージが飛んできた。「やっぱいっぱいでしたのでキャンセルしてください」。おまけに「早くキャンセルしないと他の宿無くなりますよ」って。ふざけるな、当日やのに今から取れる宿なんかないねん!
すぐに検索をかけるも全然泊まれそうなやすい宿はない。次の目的地へ行ってしまおうかと思ったけどやはりそっちでも宿がない。頭の中一瞬野宿のワードがよぎる。
チューリッヒで
結局、チューリッヒでお世話になった先輩本宿さんに無理言って泊めていただけることになった!本当に感謝しかない。
せっかくフランス近くまで来てたのに、4時間かけて戻る。仕方なく、ジュネーブのル・コルビュジェ建築を見るのは諦めた。
チューリッヒ到着。そしたらなんと、昨日お別れしたはずのちさきさんも来られてて、一緒にご飯食べれることになった!!なんという強運!!下がったテンションが跳ね上がり、夜まで飲み明かした。宿代も浮いたし結果オーライ。
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