欧州建築行脚23 スイス バイエラー財団/マリオ・ボッタ建築/ヘルツォーク建築

7月6日水曜日。
今日明日とバーゼルの建築を巡る。チューリッヒを後にし、電車に揺られて2時間弱。

バイエラー財団

レンゾピアノの作品が見たくて、バーゼルに来た。緑に埋もれたような建物。まるで森の中の木のよう。ここでも水のゆらめきが屋根に反射してゆらいでいる。レンガの茶色と、少しくすんだ緑色をした水と芝生、木々がマッチする。

鏡に映った景色は湾曲してぼやかされ、いろんなものを反射した絵のように光っている。

屋根を高く設定し、天井部分から離すことで、ボリュームは低く抑えつつも光をコントロールしているような気がする。

屋根は完全に一枚の屋根じゃなくて、パネルを吊るすことで隙間から光が漏れて軽く見える。

モンドリアンの展示も面白かった。美しいと感じたものを抽象化していくプロセス。抽象化していき、最終的に水平と垂直の線に全てが分解される。この抽象化していくプロセスは、やはりル・コルビュジエにも通じる。勉強になったし、またもっと直感的にわかる美しさはないのか?とも思った。

抽象化していく中で光の実験をしていた作品に惹かれた。

最後ミュージアムショップでモンドリアン風デザインのボトル(4000円くらい)に一目惚れ。買うかどうか死ぬほど迷った。結局荷物増やすのが嫌で買わなかった。けどほしいいいい。我慢した俺えらい。

ティンゲリー美術館・Bank for International Settlements

マリオ・ボッタ建築。とてもマスな感じ。直方体を積み上げて円形だったり、短形だったり、大きなブロックを作っていくような造形の仕方。大きな楕円形の屋根によってできる屋外空間は魅力的だった。けれど楕円形の屋根の魅力はよくわからなかった。やっぱり、感動する形とそうでない形ってのはある。

建築じゃないけど、ティンゲリー美術館に展示されていた、影と物体が重なり合って、人が動くとゆらめくように見える作品が良かった。

ヘルツォーク&ムーロン建築

ヘルツォークの建築は現代のテクニカルなアプローチを駆使して、最先端の造形を実現しているんだと思う。
Messe Baselの建物はよかった。直方体のボリュームに円形のボイドを空けて、その下がトラムのバス停になっている。光が差し込む近未来的な造形は魅力的だった。同時に、最先端のテクノロジーが絶えず溢れる世の中で、その技術を用いてどんな建築が可能なのか、またわからなくもなった。

最先端の技術による新しい建築。コンピューテーショナルな建築が普及して、造形としては自由局面が増えたり、グラスホッパーを用いたグラデーションが効いたファサードが使用されたりしている。構造としても歴史を振り返れば新しいと思うけど、さらに先の目指すべき建築はどんなものなんだろう。

民泊

今日の宿もエアビーで。スイスとドイツとフランスの国境付近にある、フランスの小さなまちで、直前までスイスだと思い込んでいた。
すごくフレンドリーで親しい家族に迎えられた。弟のユアンにはクレープを作ってもらい、母のアンには手作りジャムや手作りタルトをいただく。姉エレナはまさかの建築専攻のマスター2年らしく、さらには3日後に結婚式をひかえているという。とにかく会話も楽しく、快適であたたかい民泊だった。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です