欧州建築行脚15 ランス大聖堂/サン・レミ・バシリカ聖堂/シャンパーニュ・ワインセラー
6月28日火曜日。
別れ
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ついにパリを出る。岩見に別れを告げ8時に家を出た。
2週間本当に世話になった。久々の岩見は大きかった。やる気も刺激ももらった。いろんな出会いをくれた。パリでの生き方もちょっとわかった。旅の情報もいっぱい。本当にありがとう。また会おう。
長旅
今日も今日とて、長旅だ。ユーレイルパスを使ってランスを経由しながらフランスの東部まで行く。
行きの電車、出発早々トラブル。ユーレイルパスのシステムがいまいちまだよくわかってなくて、席の予約が出来てなかったから追加25€払わなきゃいけないことに。なかなかの痛手、だけど気を取り直してすすむ。
ランス大聖堂
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ゴシックの最高傑作。
少し薄暗いひんやりした空間が出迎えてくれた。シャルトルは色彩が白く復元されていたけれど、こちらは劣化して薄黒くなった石がそのままの状態で残っている。
正面のバラ窓の迫力がまたすごい。ステンドグラスが洗浄されていないからかもしれないが、バラ窓の骨格の方が強くて、ステンドグラスの光よりもバラ模様が際立っている。
やはりゴシック建築は装飾が恐ろしい。内観よりも外観に力を入れているような気もする。それだけ教会そのものを芸術作品として仕上げようという気持ちが強かったのだろう。今の建築ではなかなかなし得ない、さまざまな芸術が統合された形。
Carnegie Library of Reims
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先輩に勧められた図書館。アールデコの装飾が美しい。特にエントランスの採光ステンドグラス。
サン・レミ・バシリカ聖堂
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ロマネスクとゴシックが融合した教会。今まで見た教会の中で1番感動した。ロマネスクの大地から現れる力強さに、ゴシックの装飾が人間のもてる最大の芸術を入れ込んだような建築。決してただ豪華絢爛なわけではなく、地に足をつけた強さの中に光と装飾が混じりあって、静かで良い雰囲気を作っている。
正直、ランスの大聖堂よりも全然こちらの方が好みだ。
やっぱりロマネスクの石の持っているどっしりとした強さは、何が絡み合っても生き続けるものかもしれない。
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形態のデザイン的にもバシリカの角張った形態にリプヴォールトのアーチがくっついていて、とても安定しているように見える。
修道院の方も明るく、シャキシャキとした生活が送れそう。2階の建物が回廊になっている。
Champagne TAITTINGER
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シャンパーニュワインセラーの見学ツアー。ワインはキリスト教と深く関わっており、修道院と農場、醸造所は昔セットだったという。ワイン農場は当時からの大きな産業であり、修道士たちの生活と密接に関わっている。
ツアーは英語。相変わらず全然早すぎて聴き取れず。本当にもどかしい気持ちになる。世界で生きていくには英語はマジで必須。それを突きつけられている感じ。なんとか克服しないといけない。世界の共通言語は英語だって感じ。
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地下に行くと、ロマネスクのような構造体が現れる。教会の地下に空間が掘られていて、洞窟的な空間の中でワインが貯蔵されているなんて、ワクワクが止まらない。迫力満点。洞窟には入ったことはあっても、実際に機能として使われている例は日本ではほとんどないじゃないか。地下空間が具体的に産業の一部として使われているのはパリならではなんだろう。そういえば、カタコンブと下水道博物館は次回パリへ遊びに行ったときに必見だな。
洞窟空間は魅力的。なんでなんだろう。閉じ込められる可能性すらある危険な場所なのに、どこか安心する。土や石という自然素材だからだろうか。
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ツアーの終わりにシャンパン!ガイドのお姉さんとパシャリ。
電車
フランス国鉄に揺られ、東部の町、ロンシャンの隣のBelfortまで行く。明日の朝からロンシャンへ行くために。しかしまたまたトラブルか、電車が15分遅れている。このまま遅れが縮まらないとBelfortに辿り着けない。ヒヤヒヤしながら電車に乗ったけど、なんとか遅れは縮まって無事到着。
宿
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一泊38€の宿。ドミトリーかと思ってたら1人部屋だった。部屋の鍵はないし、ボディソープもシャンプーも何もない。けどなかなか雰囲気あっていい。かなりラフそうなオーナーが応対してくれた。チェックアウトは?って聞くとナッスィン!って軽い。
これまで2週間岩見家に世話になってたから何も感じてなかったけど、知らない土地にポツンと1人でいると少しだけ不安になる。情報収集を今まで以上に、旅の計画を立て、クタクタになりながら床についた。