欧州建築行脚12 アラブ世界研究所/Évry Cathedral /フランス国立図書館新館
6月25日土曜日。
朝マルシェによってパンを食べてから、お金を引き出して今日も今日とて建築巡り。フランスには公衆トイレが全然ないから、いったんトイレしに家に帰ってからまた出かける。
アラブ世界研究所
ジャン・ヌーベルによるハイテック建築。ファサードはアラブの模様をした採光装置で出来上がっている。イスラム文化を象徴するとともに、建築的な操作も加えられており、なおかつめちゃくちゃカッコいい。ハイテックなだけに、金属の反射が輝いている。
エントランスを入ってすぐの階段もめちゃくちゃギンギラギン。パイプによって階段が作られているけど、研究所という雰囲気が前面に出ている。窓からの光、ファサードの模様が内側のガラスにも反射して、魅力的な世界観が出来上がっていた。
ハイテック建築は実物を見る前はオモチャ的な建築なんだろうと思い込んでいたけど、レンゾピアノにしろ、ジャンヌーベルにしろ、かなり合理的でかつカッコいいものだと思い知らされた。決して周りから浮いた建築なんて事はなく、むしろ最先端の技術を駆使して、未来に向けた良い建築をデザインしてるんだというメッセージを感じる。
Évry Cathedral
マリオ・ボッタによる教会。先輩に教えてもらった建築。レンガ一つ一つのピースが積み上げられてできたような表現をしている。円柱を斜めにぶった斬ったような形をしているが、光の取り入れ方はもちろん、決してハリポテのような建築には見えない。レンガを用いると土から立ち上がった建築というのが肌でわかる。とても落ち着いた建築で、繊細な表現。正面の曲面壁に、マリオ・ボッタはなにを表現したかったんだろう。ただ、ぼーっとその壁を見つめていられるくらい、魅力的な面だった。
ふと思った。芸術とはなんだろう。見てて飽きないものだろうか。芸術をみると、ずっと考えていられたり、思いを馳せたり、感情が出てきたりする。自分の心が揺さぶられるもの。やっぱり理屈だけじゃない。これを人の手で作り出すんだから、やっぱり建築は奥が深い。
フランス国立図書館
ドミニクペローによる図書館の新館。中心に中庭、地中に図書館、そして地上は広場になっていて、4棟のL字型高層タワーに囲まれている。どんな建築でも、広場的なみんなが使えるパブリックなスペースを作ろうとしているのはいいなぁと思う。
内観は結構暗めに演出されている。古い、歴史ある図書館を継承しているのかもしれない。家具もアンティークっぽいのが使われていてすごく魅力的。それでいて、ハイテックな現代の建材もふんだんに使われている。フランスは歴史の捉え方が多様で本当に面白い。
シャルティエでディナー
今晩はフランスの老舗レストランで初の外食ディナー。フレンチなんて普通に食べたらめちゃくちゃ高いけど、ここはリーズナブルらしい。パリを明後日に出るという事でいろんな人が来てくれて、さらにはじめましての人も加わってみんなで食事。
シャルティエは老舗レストランだけあって、店内の装飾が本当に豪華。
メニューは基本なに書いてるかわからないけど、前菜とメイン、デザートをなんとなくで頼んだ。
前菜はエスカルゴとベーコンのサラダ、メインはBlanquette de Veauというカレーみたいなやつ、デザートは美味しくないけどここでしか食べられないと言われ勧められたRiz au lairという米で作ったブリュレのようなもの。でも全部美味しかった。