ヨーロッパ建築行脚⑧ シャルトル大聖堂

6月21日火曜日。

今日は朝からバゲットを買って、シャルトル大聖堂へ。Versailles-Chantiersまでnavigoが使えるので、そこでTERに乗り換え。2時間ほどの長旅。

外観

削られ、復元した身廊

とても繊細。37mの圧倒的な高さを誇る、神の世界。白い、明るい骨組みにステンドグラスが彩りを与える。パースペクティブが効いて、ドームの中心がより求心的に見えるようになっている。さらにドームの先にも空間が広がっていて、奥行きから立体感を出している。空間にいくつものレイヤーが存在している感覚。どこまでも飽きない。

リプヴォールトのリブ(骨という意味)から、どこかいびつなものを感じる。生命の究極体みたい。マンガ「進撃の巨人」を思い出してしまった。線をみると自然や生命に還元してしまうのは人間の思考のクセだろうか。古来から人間は自然をモチーフにデザインを重ねてきた。自然を拡大解釈して、このような空間を作ったと言えるはず。

線を重ねて太い柱にするというのは、日本の神社建築でも行われている。構造的にも意匠的にも納得できる考え方。

暗い側廊とバラ窓 ブルータリズム?

光が本当に美しい。万華鏡を覗いたような桃源郷の世界。この落ち着くような、守られているような感覚はなんだろう。そして、色褪せれば褪せるほど、何100年も建ち続けてきた強さを感じる。これぞブルータルだ。近代のブルータリズムはこれを模したかったのか?風化と共に力強さは増していく。コルビュジエの光とコンクリートの質感もこのゴシック建築に通じているのではないか。

石積みの様子からも力強さを感じる。ル・コルビュジエのブラジル学生会館ではコンクリートが石のように表現されていた。表現として古典を参照したというのはありえないのだろうか。いずれにしても構造を見せることで、大地に立つという表現をしていると捉えれる気がする。フライングバットレスの迫力も段違いだ。

最も古いバラ窓と3連ステンドグラス

最も古いはずなのに、1番現代的ではないだろうか。白の壁とステンドグラスがとてもうまく混じり合って、光が星のように浮かんでいるかのよう。この中に聖書の内容が描かれているという。バラ窓もかわいい。模様のデザインでも空間の感じ方は違う。

ドーム

装飾によって他の空間との差別を図り、格式を高めている。装飾が多ければ多いほど、建築としての密度は高まっていく。オレンジ色の塗装?パッと見るとカーテンのようなファプリックな質感にみえる。背の低い側廊に囲まれることによって、奥行きが感じられ、天井高の違いからも相まって、お祈りの最上空間になっているんだと思う。

外観横

えげつない量の線。ディテールの暴力。フライングバットレス、バラ窓、入口の彫刻。神の表現というのはやっぱり圧倒的じゃないといけないのか。立面図をトレースしたい。

英語の現地ガイド

何か得られるかと思って、英語の現地ガイドをとってみた。1時間半くらいで12€(1724円)。半分くらいは聞き取れるだろうし、英語の勉強にもなると思ってついて行ったら、たぶん1割くらいしか聞き取れてなかった。最初は集中して聴くも、30分くらいからけっこうしんどかった。ここ1週間くらい旅行して、英語ができれば世界ある程度どこでも通用すると感じる。英語がうまくいかないのは正直辛い。大学に入って、英語から離れたのは痛恨のミスだ。

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