ヨーロッパ建築行脚⑦ サント・ジュヌヴィエーブ図書館/パンテオン/ポンピドゥセンター

6月20日月曜日。

サント・ジュヌヴィエーブ図書館

6世紀に修道院として建てられたものを、1838-51に建築家アンリ・ラブルーストによって鉄骨のフレームが加えられ、図書館として再生した建築物。近代史の中でも鉄骨技術発展の観点でよく取り上げられる。
外観は6世紀のものをそのまま残しているように見えた。中に入るとエントランスは中世のまま。

岩見に貸し出しカードを借りて中に入る。
中は自習する学生て溢れていた。図書は1階と2階に置いてあるが、2階には入れない。

中世と近代の構造による対比が美しい。鉄骨はアール・ヌーヴォーのような模様に作られていて細部まで楽しめる。本棚の木の質感と光による演出が、いかにも中世らしい。
歴史を対比させた設計の場合、何を残して何を新しくするかという議論が頻繁に行われる。今回は構造が新しくなっている。当たり前だけど、今その時に足りないもの、もっとこうすれば歴史の価値付けがアップするという手法を意匠と共に試行錯誤していく、そのスタンスは今も昔も変わらないかもしれない。パリは歴史都市。リノベーションの手法はまだまだ学ぶことが多い。

パンテオン

新古典主義の建築。
重厚感。聖歌が響く。バシリカの強さ、ドームの厳粛な感覚、新古典主義ならではのディテールの細かさ。重厚な感じはしたけど、光が操られている感じはなく、教会の空間を「感じる」という感覚ではなかった。装飾が多い分、そうなのか。

閉館時間が早く、スケッチ中に締め出された。

地下納骨堂は地上階と全く変わって、ロマネスク教会のような装飾のない空間。非常に落ち着く。装飾のない建築が心を落ち着かせるという、ル・コルビュジエのピュリスム的な考え方が少し理解できた気がする。
パリの偉大な功績者は、いまでもこの墓に埋葬されるそう。良いシステムだと思う。墓というビルディングタイプを今まで意識してこなかったけど、墓には永遠性が伴う。エジプトのピラミッドなんかは典型だけど、王とかではなく、国にとって栄誉ある人物がこのような建物の中で埋葬されるのは誇らしいではないか。

ポンピドゥーセンター

コンテンポラリーアートの目玉作品がこれでもかっていうくらい集積しているパリの美術館。
建築はレンゾピアノによるハイテック建築。パリの景観を損ねると議論になっていたが、コンテンポラリーアートの美術館としてふさわしい建築なんじゃないかと感じる。ただ日本のようにカオスな都市空間にいると、景観を統一させることできないかと考えるけど、いざパリのように景観が整っている都市へきてみると、何か突飛な建築が一つ建ったら面白いんじゃ?と思ってしまう。

鉄骨と配管の色彩に興味を持った。建築というより、コンテンポラリーアートそのものなんじゃないかとも感じた。色彩には本当にいろんな力があるように思う。ただ、建築としてもやはり面白い。グリッドシステムのなかに外部空間や、配管、構造、、設備、エスカレーター動線など、さまざまなエレメントが各色彩とともに等価に扱われて詰め込まれているように感じた。一般に意匠として構造、設備は隠すことが多いけど、それらは全て建築を構成するエレメントである。なぜ隠す必要がある?と問いかけてくるような建築に感じた。

カレー作り

家に帰って、無水風カレーを作る。パリでは自炊が当たり前。そうじゃないと高すぎる。けどこの習慣ができてから、料理を楽しめるようになった。

そろそろ歩きすぎて足に水膨れができた。1週間の平均歩行距離は13.5キロ。けどまだまだ、もっも歩いて感じる。

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