家系を辿る。浮かび上がってきた歴史。
5月5日木曜日。
午前、家の歴史について聞き取り。酒造りをしていた年代は定かではないが、蔵の配置、主屋の構造、川とのつながり、石畳の並べ方から杜氏や蔵人の生活が少しずつ浮かび上がってきた。
午後、家屋の平面を復元していると、書院から古い書物が見つかる。家相についての書類。宝暦4年から家系が続いているという。家業のルーツはおそらく、農業、庄屋、酒造り。
生まれて初めて主屋の2階に上がる。太い梁によって組まれた入母屋造りの小屋組。長い歴史を生き抜いてきた迫力を感じる。過去、さまざまな人が行き交い、生活してきた記憶を大切に包み込んでいる気がした。
蔵に入る。かまど、酒造りで使用された桶、茶器、皿、座布団などが多く眠っていた。数々の生活の痕跡。
夜、家相図の復元。昔は兄弟こそ多いけれど、早死の人も多いと分かり、生きることの厳しさを感じる。けれど、先祖から現代まで、家相という歴史のストーリーが繋がっているのは感動だ。
リノベーションで、この記憶をどう紡いでいくのか。ワクワクしてきた。