I.M.ペイ 「MIHO MUSEUM」優しい光の造形

MIHO MUSEUM エントランス

お盆休み、I・M・ペイ(イオ・ミン・ペイ)設計の「MIHO MUSEUM」へ行ってきた。

1. 建築家 I・M・ペイとは誰か

I・M・ペイ は中国系アメリカ人の建築家。
最も有名な作品はルーヴル美術館のガラスのピラミッド。(ルーブル美術館 リンク


1935年、17歳で渡米し、ペンシルバニア大学入学。しかし古典的建築教育が合わず退学。その後マサチューセッツ工科大学に編入し、ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライドに影響を受ける。1942年、24歳でハーバード大学大学院へ入学。しかし戦争の為休学。1945年、27歳で復学し、ヴァルター・グロピウス、マルセル・ブロイヤーのもとで学ぶ。1946年、28歳にはハーバード大学助教授に就任し、さらにグロピウスの事務所に勤務している。

様々な大学や職歴を経た後、設計事務所を設立。その中で近代建築を牽引してきた様々な建築家から影響を受けいていたことがわかる。

2. MIHO MUSEUM旅行記

レセプション棟とミュージアム棟をつなぐトンネル

MIHO MUSEUMは「桃源郷」をコンセプトにつくられた美術館。

”中国の詩人、陶淵明の『桃花源記』に描かれた理想郷である桃源郷をモチーフにした構想は、しだれ桜の並木道に導かれ、トンネルと吊り橋を越えて美術館に至るという大らかで詩情あるアプローチを生みました。 美しく弧を描くトンネルを進むと、谷に架かる橋の向こう側に、入母屋型の屋根をしたエントランスが姿をあらわします。”
引用元:MIHO MUSEUM公式ホームページ https://www.miho.jp/architecture/approach/

息をのむような光の造形を映し出す、トンネルが印象的。

光がつやを出しながらきれいに反射して、どこか吸い込まれるかのような美しいトンネルを歩きながら、美術館棟へ歩いていく。こんなに幻想的なトンネルを歩いたのは人生で初めて。美術館棟に向かって心を躍らせながら、同時に心が澄んでいくような空間を体験。神社の鳥居をくぐるような、儀礼的な感覚とも少し似ている。

なんでこんなにも幻想的な感覚を生むのだろう。
素材とマス(ボリューム)の使い方に特徴があるかもしれない。かっちりした幾何学ボリュームに、つるっとした大理石の仕上げ。ただ「高級」というのでなく、桃源郷というのびやかな世界観を表現するための、引き込まれるような光。I・M・ペイの優しそうな表情と、この揺らめくような光が頭の中で重なった気がした。



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